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発酵コーヒーとは?アナエロビックなど、いま注目される“発酵を活かすコーヒー”の本質

by KOUNOUCOFFEE 24 Apr 2026

スペシャルティコーヒーの世界では、ここ数年「発酵」という言葉を目にする機会が増えました。アナエロビック(嫌気性発酵)や、ワインのような風味を持つコーヒーに触れたことがある方も多いと思います。

ただ、その一方で、発酵コーヒーとは何か、普通のコーヒーと何が違うのか、なぜあのような味が生まれるのか。こうした問いに対して、明確な答えを持てている人は多くありません。

この記事では、「発酵コーヒー」という言葉を整理しながら、いま起きている変化の本質について、少し踏み込んで考えていきます。

発酵コーヒーとは何か

発酵コーヒーとは、発酵のプロセスを意図的に活用し、風味を引き出したコーヒーを指します。

ただし前提として、発酵は特別なものではありません。

コーヒーは収穫後、果肉や粘液質を取り除く工程の中で、必ず微生物の働きを受けます。ナチュラルやウォッシュドといった一般的な精製方法でも、発酵は自然に起きています。

つまり、どのコーヒーにも発酵は存在しています。

ではなぜ一部のコーヒーだけが「発酵した」と表現されるのか。

違いは、発酵をどのように扱っているかにあります。

従来のコーヒーでは、発酵は工程の一部に過ぎませんでした。一方で近年は、発酵をコントロールし、味づくりに積極的に利用しています。

発酵は単なる工程ではなく、味を設計するための手段として扱われるようになっています。

なぜ今、発酵を活かす動きが生まれたのか

この変化は、スペシャルティコーヒーの成熟と深く関係しています。

これまでコーヒーの味は、産地や品種、標高、焙煎といった要素で語られてきました。しかしそれらがある程度出揃った中で、精製工程そのものに注目が集まります。

「発酵の扱い方を変えれば、味はどこまで変わるのか」

こうした問いから、生産者たちは新しい試みに取り組み始めました。

2010年代後半には、中南米の生産者を中心に、発酵環境を細かく管理する技術が急速に発展します。温度や時間だけでなく、微生物の働き方まで意識したプロセス設計が行われるようになりました。

その流れの中で登場した代表的な手法が、アナエロビックファーメンテーション(嫌気性発酵)です。

アナエロビック(嫌気性発酵)の考え方

アナエロビックとは、酸素を制限した状態で発酵を進める手法です。

コーヒー発酵タンク

通常の発酵は空気中で行われますが、密閉された環境を作ることで微生物の活動が変化します。この環境の違いが、味の変化につながります。

結果として、フルーティな香り、ワインのようなニュアンス、甘さや質感の変化といった特徴が現れやすくなります。

アナエロビックの具体的な手法

アナエロビックといっても、その内容は一つではありません。条件の違いによって、仕上がる味は大きく変わります。

密閉タンク発酵

最も基本的な方法です。

収穫したチェリーやパルプを密閉タンクに入れ、一定時間発酵させます。発酵中に発生するガスによって内部は低酸素状態になり、自然に嫌気的な環境が生まれます。

このとき重要になるのは、発酵時間や温度です。わずかな違いでも味のバランスが変わるため、細かな管理が求められます。

比較的クリーンでバランスの良い発酵感が出やすい手法です。

CO₂を利用した発酵

タンク内に炭酸ガスを充填し、意図的に無酸素状態を作る方法です。

ワインの醸造に近い考え方で、より強いフルーティさや発酵感を引き出すことができます。一方で、個性が強く出やすく、コントロールの難易度も高くなります。

二段階発酵

発酵条件を途中で変化させる方法です。

例えば、最初は空気のある状態で発酵させ、その後に密閉環境へ移行するなど、段階的に条件を変えます。これにより複雑な風味を作ることができますが、管理は非常に難しくなります。

同じアナエロビックという言葉でも、発酵時間、温度、密閉度、使用する容器、乾燥工程との組み合わせによって、まったく異なる味が生まれます。

なぜフルーティな味が生まれるのか

コーヒーチェリー

発酵による味の変化は、コーヒーチェリーに含まれる糖と微生物の働きによって生まれます。

発酵の過程で糖が分解されることで、有機酸や、エステルと呼ばれる香り成分が生成されます。

これらが組み合わさることで、ベリーやトロピカルフルーツのような風味として感じられます。

つまり、フルーティさは単に品種や焙煎によるものではなく、発酵によって再構成された味でもあります。

KOUNOU COFFEEの考え方

私たちは、発酵を特別な加工ではなく、自然の延長として捉えています。

毎年、発酵に関する研究を続けており、SCAJ 2024やSCAJ 2025では、「ワイン雲南」や「醸造珈琲」として発表を行ってきました。

一般的なアナエロビックに比べて、発酵感が強すぎず飲みやすいと言われることがあります。それは、外部から何かを加えるのではなく、自然の微生物と環境に任せているからです。

例えば、2025年のロット「野村醸」では、山村地域で代々使われてきた発酵桶を使用しています。気密性の低い器に土で蓋をし、ゆるやかな嫌気状態をつくり出します。

発酵は現地の土壌微生物や外気の影響を受けながら自然に進行していきます。そのプロセスは、自然と共生する村の文化や風土をそのまま映し出したような、生命感のあるものです。

こうした手法では、自然環境に左右される部分も大きく、飲んでみるまでどのような仕上がりになるか分からない側面もあります。

しかしその不確かさの中から、山や森を思わせる独特の香りと、奥行きのある深いボディが生まれます。

これは単なる技術ではなく、土地と文化そのものが反映された味だと考えています。

実際に、発酵によって生まれる香りや味わいを体験してみたい方へ

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