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競技を通して見つけた課題と学び

by KOUNOUCOFFEE 12 Aug 2026

2026年8月6日、東京ビッグサイトで開催された 「Espresso Italiano Champion 2026」に、 KOUNOU COFFEEのバリスタ・六嶋が出場しました。

大会への出場が決まってから本番まで、改めてエスプレッソと向き合いました。

普段から店舗でエスプレッソを抽出していますが、競技という環境の中で一つひとつの動作や数値を見直してみると、 まだ知らないこと、理解できていないことがたくさんあることに気づきました。

今回は、大会への挑戦を通して学んだこと、 そしてこれからKOUNOU COFFEEでどのように生かしていきたいかを振り返ります。

Espresso Italiano Champion 2026 大会の様子

イタリアのクラシックなエスプレッソを学ぶために

今回、大会に出場した目的は大きく二つありました。

一つは、イタリアのクラシックなスタイルのエスプレッソについて学び、 今後の強みの一つにしていくこと。

もう一つは、大会への準備や競技を通して、 バリスタとして成長することです。

エスプレッソは、少量のコーヒーの中に、 豆の状態、グラインダーの調整、粉量、抽出量、抽出時間、 そしてバリスタの動作など、さまざまな要素が詰まっています。

一つの要素が少し変わるだけでも、カップの中の味は大きく変化します。

だからこそ今回、競技の基準に沿ってエスプレッソを学び直すことで、 普段の抽出を改めて見直したいと考えました。

11分間で、エスプレッソ4杯とカプチーノ4杯

競技では、限られた時間の中で エスプレッソ4杯とカプチーノ4杯を作ります。

普段店舗で一杯ずつ提供するときとは違い、 2連のエスプレッソマシンを使いながら複数杯を同時進行で仕上げていきます。

今回の練習では、2杯分のカプチーノミルクを一度にスチームする方法や、 エスプレッソを抽出しながら次の工程へ進む動きなど、 これまで経験する機会の少なかったオペレーションを学ぶことができました。

同時に意識したのが、 「どうすれば美しく、無駄なく、流れるように動けるか」 ということです。

競技では、ただ速く作ればよいわけではありません。

限られた時間の中でも、抽出を確認し、器具を清潔に保ち、 次の動作を考えながら一杯ずつ仕上げていく必要があります。

普段何気なく行っている一つひとつの動作にも、 「なぜこの動きをするのか」と考えるきっかけをもらいました。

Espresso Italiano Champion 2026 競技中の様子

数字を知ることで見えてきたこと

今回の大会では、イタリアンクラシックスタイルのエスプレッソやカプチーノについて、 改めて具体的な数値を意識しました。

練習で基準としていたエスプレッソ

粉量:約14g
抽出量:2杯分 約50g
抽出時間:約25秒
カプチーノのミルク温度:55〜56℃

もちろん、コーヒーは数字だけでおいしさが決まるものではありません。

しかし、基準となる数字を知ることで、 「今の抽出はどこが違うのか」を考えるための一つの物差しを持つことができます。

今回の練習を通して、普段からエスプレッソの液量や抽出時間をより意識するようになり、 カプチーノでも手でピッチャーの温度を感じながら仕上がりを判断する感覚を学ぶことができました。

大会のために身につけた小さな動作が、 すでに日々の店舗での一杯にもつながっています。

本番で見えた、自分の課題

本番では、思い通りにいかなかったこともたくさんありました。

特に大きな課題となったのが、グラインダーの調整です。

目標としていた抽出時間は25秒ほどでしたが、 本番では21秒、18秒と短い抽出になりました。

挽き目を粗くしすぎたことで、お湯がコーヒーの粉を早く通過し、 十分に味わいを引き出すことができませんでした。

練習では数値を合わせることを意識していましたが、 本番を経験して改めて感じたのは、数字だけではなく、

粉の状態を見ること。
手で粒度を確認すること。
抽出の流れを見ること。
そして、実際に飲んで味から判断すること。

そのすべてが必要だということです。

「25秒だから正解」ではなく、 カップの中のエスプレッソを飲んで、今の抽出がどういう状態なのかを 自分で判断できる力を身につけたい。

今回、特に強く感じた課題です。

Espresso Italiano Champion 2026 エスプレッソ競技の様子

カプチーノから学んだ「再現性」

カプチーノでは、ミルクの温度や残量、 2杯の仕上がりの均一性などが評価されました。

本番では、目標としていた55〜56℃に対して、 61℃、62℃まで温度が上がってしまいました。

普段練習していたマシンよりスチームが強く、 温度が上がるスピードに対応しきれなかったことも原因の一つだと考えています。

また、2杯のカプチーノで、 ボリューム感や表面の仕上がりを完全に揃えることもできませんでした。「2杯同時に作れる」ことと、「2杯を同じ品質で作れる」ことは違います。一杯だけをきれいに仕上げるのではなく、 何杯作っても同じ味、同じ質感、同じ見た目に近づけること。

店舗で毎日コーヒーを提供するうえでも、 この再現性はとても大切なことだと改めて感じました。

一方で、センサリー審査では、 カプチーノのミルクのきめ細かさについて 9点満点中7点の評価をいただくことができました。

できなかったことだけではなく、 これまで練習してきた技術の中で評価していただけた部分があったことも、 次につながる一つの自信になりました。

初めて経験した、コーヒーを「言葉で伝える」審査

今回の大会では、抽出技術だけでなく、 マーケティング審査としてコーヒーについてスピーチをする機会もありました。

人前でこのような形でコーヒーについて話すのは、今回が初めてでした。

準備した文章を覚えて話すことはできても、 どの言葉を強く伝えるのか、どこで間を取るのか、 どのくらいのスピードで話すのか。

同じ文章でも、伝え方によって相手に届く印象が大きく変わります。

これは競技だけではなく、店舗でお客様にコーヒーをご紹介するときや、 KOUNOU COFFEEの商品について伝えるときにも必要な力です。

「おいしいコーヒーを作ること」と同時に、 「その魅力を言葉で伝えること」も、これから磨いていきたいと思っています。

もっとエスプレッソを知りたい

今回の大会で使用したのは、 イタリアで長く親しまれてきたスタイルのエスプレッソ豆でした。

実際に抽出し、何度も味わうことで、 普段触れているスペシャルティコーヒーとはまた異なるエスプレッソの世界を知ることができました。

もっとエスプレッソを勉強したい。

大会を終えた今、一番強く感じていることです。

25秒という抽出時間や、カップに入る液量といった数字だけではなく、 その背景にあるイタリアのバール文化や、 人々が日常の中でどのようにエスプレッソを楽しんでいるのかまで知りたいと思うようになりました。

今後イタリアへ行く機会には、実際に現地のバールを訪れ、 そこで提供されているエスプレッソを自分の舌で味わってきたいと思っています。

本や数字から学ぶだけでは分からない「現地の一杯」を知ることで、 自分の中にエスプレッソの基準を増やしていきたいです。

Espresso Italiano Champion 2026 大会を終えて

競技だからこそ、見えるもの

本番では、不思議と大きな緊張やプレッシャーはなく、 普段に近い状態で競技をすることができました。

そして今回、競技そのものの面白さにも気づきました。

決められた時間。
決められたルール。
決められた器具。

その中で、どうすればもっとおいしくできるのか。 どうすればもっと正確にできるのか。 どうすればもっと無駄なく、美しく動けるのか。

一つの動作を細かく分解し、何度も繰り返しながら突き詰めていく時間を、 純粋に楽しいと感じました。

競技のためだけの技術ではなく、 その過程で身についたことが、日々の店舗での仕事にも少しずつ戻ってきます。

今回、大会という目標があったことで、 本番までの約10日間は普段以上に集中して練習することができました。

競技への挑戦は、自分自身の技術や知識を見直し、 成長するための一つの方法なのかもしれません。

大会で得たものを、KOUNOU COFFEEの一杯へ

今回の大会を通して、クラシックなイタリアンエスプレッソについて知ることができた一方で、 自分にはまだ知らないことがたくさんあることも分かりました。

イタリアンクラシックの技術。
現代のスペシャルティコーヒーの技術。
グラインダーの調整。
エスプレッソの風味評価。
そして、それぞれの技術が生まれた背景や文化。

どちらか一つだけを「正解」と考えるのではなく、 それぞれを理解したうえで、 自分たちがどのような一杯をお客様に届けたいのかを考えていきたいと思っています。

大会に出場することがゴールではありません。

今回得た経験を日々の抽出や一つひとつの所作に落とし込み、 KOUNOU COFFEEでお出しするエスプレッソやカプチーノを、 少しずつでもより良いものにしていくこと。

それが今回の挑戦を、これからにつなげる一番大切なことだと考えています。

応援してくださった皆さま、本当にありがとうございました。

これからも一杯のコーヒーと向き合いながら、学び続けていきます。

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